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今月の言葉「いつも立派でなくていい」

 

今や多くの人が使うSNS

コミュニケーションや情報を共有するには欠かせないツールになりました。

しかし、便利な反面SNS疲れという言葉もあるようです。

「いいね」やコメント機能があることで、人からの評価を気にしすぎてしまったり、幸せそうな友達の投稿を見ては自分と比較してしまうなど、疲れやストレスを感じてしまう人も多いようです。

 

SNSだけでなくても、私たちは普段知らず知らずのうちに人と自分とを比べてしまうことはないでしょうか。

あの人よりも多い少ない、大きい小さい、賢い賢くない、強い弱い、幸せ不幸せ・・・

比べだすとキリがありません。

さらに、人というのは他人に良く思われたい、良く見られたいという意識が勝手に働き、何かにつけて自分を大きく強く見せようとしてしまうものです。

しかし、ずっと背伸びを続けると疲れるように、無理に自分を作り続けると疲れてしまいます。

 

人と比べることで前向きに向上心を持てるということもありますが、やはり比べることによって、どうしても優越感(慢心)や劣等感(嫉妬)が生まれてしまいます。

それは仏教でいうところの煩悩であり、そこにこだわりすぎると自分を苦しめてしまうのです。

 

阿弥陀経というお経に「青色青光、黄色黄光、赤色赤光、白色白光」という一節があります。

「極楽浄土には大きな蓮が咲き誇り、青色は青い光を放ち、黄色は黄色い光を放ち、赤色は赤い光を放ち、白色は白い光を放つ」とあります。

それぞれに異なる色の光を放って美しいありさまが説かれています。それぞれが素晴らしく、まさに「世界に一つだけの花」なのです。

 

人間もそれぞれに尊いいのちをもってこの世に生まれて、それぞれに尊い個性をもっています。

優劣をつけるのではなく、まずはありのままの自分の事を認めてあげることが他を認める第一歩になるのではないでしょうか?

そして、いただいたこのいのちを精一杯生きることが大切であり、どのような私であっても、ありのままの私を包み込んでくださるのが阿弥陀さまなのです。

 

お念仏を称え、阿弥陀さまの大きな慈悲に触れさせていただき、仏さまのような分け隔てのない安らかな心で過ごしたいものです。