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今月の言葉「称え続けて わかること」

私の住む寝屋川市の公立小中学校では、夏休みのあと始業式はライブ配信、授業はオンラインとなりました。

我が子も今は分散登校で、9月になっても通常授業とオンライン授業を併用でおこなっています。

様子を見ていると、画面越しに先生がジェスチャーを使いながら、元気いっぱいに授業をされていました。

そして、授業を受けているクラスの皆の顔がずらりと並んで映っていました。

      

本当にすごい時代になりました。

タブレットやスマートフォンという端末を使うことで、家にいながらたくさんの人と画面上でつながることができるのです。もっと言うならば、世界中の人とも簡単につながることの出来るのです。

電話線もついていないのに本当に不思議ですが、ちゃんと見えない電波でつながっているのです。

 

この見えないつながりというのは、決して電波の世界だけのことではありません。

仏教では見えないつながりのことを「縁」といい、私たちのまわりにはたくさんの目に見えないつながりがあり、その「縁」の中で生き生かされていることを忘れてはいけません。

 

家族のつながり、友だちのつながり、社会とのつながり。

この世でのたくさんの人と人の横のつながりもあれば、過去から未来へと続く縦のつながりもあります。

浄土宗ではそのつながりのことを共生(ともいき)という言葉で表しています。

 

「死んだらしまい」と言われる方もおられますが、死んだら往く世界、救われる世界がある。

また会える世界があるというのが浄土宗のみ教えです。

 

目に見えない物、証明できないものは信じないという現代。

しかしそれを心から信じ行じていくのが信仰の世界。

 

日々の信仰の生活(お念仏)は、阿弥陀さまとつながりを深め、ご先祖さまとのいのちのつながりを感じることができます。

 

私たちがこの世で力の及ばないことに遭遇した時、苦しい時つらい時、困った時、そんな時その見えないつながりが心の支えとなり、生きる力になっていくことでしょう。

 

「お念仏の味わいは 称えてみねば分からぬなり」

布教の先生がおっしゃていたお言葉です。

 

称え続けてこそ、わかることがあるのです。

 

もうすぐ秋のお彼岸がやってまいります。

ともに仏縁を大切に過ごさせていただきましょう。

 

 

南無阿弥陀仏