電車やバスなどで、席を譲ろうと声をかけて断られた経験はないでしょうか?
以前、私は電車に乗って座っていた時、ご高齢のご婦人に声をかけたところ「すぐ降りますから大丈夫です」と断られた経験があります。
なんだか恥ずかしいような複雑な気持ちになりました。
席を譲るとき声をかける側は、結構勇気がいるものです。
相手が妊婦さんであれば、間違えていたらどうしようという別の不安も出てきます。
そんな人にも安心な「席譲りますマーク」のキーホルダーがあるとテレビのニュースで流れていました。
席を譲る意思のある人が、カバンなどにこのマークをつけておいて、譲ってほしい人に声をかけてもらうという、逆のパターンだそうです。賛否両論あるようですが、自分は何時でも譲りますよという気持ちがある、思いやりの心があることが尊く有り難いですね。このマークがなくてもお互いが気持ちよく、自然に譲り合えるようなきっかけになればと思います。
仏教では思いやりの心「慈悲」を大切にしています。
慈悲はただの思いやりではなく、相手の事を自分の事のように大切にする心、相手の幸せを願う心です。
なぜ仏教で慈悲を大切にするかというと、自分の幸せだけを追い求めても本当の幸せは得られないと説かれるからです。
しかしながら、人に優しく思いやりを持つことが大切な事だと頭では分かっていても、行動に移すことができないのが私たちで、もし実行できたとしても「ありがとう」という感謝の言葉が返ってこなければ、せっかく良いことをしているのに損したような気持になってしまうのも私たちです。
極楽浄土には、いつでもあなたの事を救いますよという阿弥陀さまがおられます。
阿弥陀さまの慈悲は大慈悲と言われ、救わずにはいられない、助けずにおれない、あなたの幸せが私の幸せという見返りを求めない大きな慈悲の心です。
手を合わせ南無阿弥陀仏と称え、阿弥陀さまの大慈悲に触れさせていただき、私自身の慈悲の心も育てていただきましょう。
コロナが広まり、人と人とが距離を取るようになりました。
しかし心の距離は大切に!
皆が助け合って、優しい心でつながり、思いやりの心が広まることを願います。
南無阿弥陀仏